つぶやき by Tayu

つぶやき

ごきげんよう

線香花火

流石に写真部の塾生の写真です。温かみのある優しい写真ですね。まだまだ残り暑さの厳しさはございますが、朝夕の涼風は、来ないと思ったほどの『秋』の到来を予告している様です。やっと線香花火が似合う夕べとなりました。大きく上がる花火大会の花火も夏の楽しみですが、この線香花火もなかなか小粋であります。


昨年、昭和14年に発行された『我が日本學』中山忠直著が現代語訳されて復刻版となりました。解説を必要とするかもしれませんが、今日読みましたところまでで、持っているはずの『振り返る力』でもう一度地にしっかり足をつけてみようではないか❗️と思える箇所がありました。


日本人が世界で一番のんびりと鷹揚で平和なのは、物資の極めて豊富な国だから誠に気楽に生活が出来るからなのである。また、日本人が共同・正義・愛国的・世界で一番中庸的精神を発達させたのは、水田民族であった事、さらに、日本が世界有数な旋風圏内の島国で異民族の襲来を受けることが少なかった事、大陸の様に自然の破滅作用が少なかったので国内が至極平和であった事、その過程で人類の生活に最も望ましい少家族制度を発達させることができた〜と。


現在は、日本という国が大きく変化し、モノに於いても心に於いても、尊い『豊 豐』の感覚を味わう環境が希薄になっている様に思います。希薄になりますと『隙』が出来やすくなります。夏休みには一度は家族やご近所でした『線香花火』のあの最後の丸まった花玉がポテっと落ちる、あの心に焼きついた感覚に『平和』を見て取れました。鈴虫をはじめとする秋の虫の音、紅葉と続き、生活の材料の問題ではなく『生活の質』が満たされた良質なモノだったなぁと懐古しています。


「家治って国泰し」
「家斉ってのち国治る」


林語堂の言葉を思い思い、今日はこれにて失礼致します。   2025.8.28.   by   tayu